弊社では、お客様に安心、安全にブーツライフを楽しんで頂きたく、全てのブーツを、1足1足、適したメンテナンスを施しております。『誰にでもできることを、誰にもできないくらいやる』をモットーに、過去に30000足以上のメンテナンスの実績があります。全てのブーツに対して、それを続けることは膨大な時間と、根気が必要で、容易な事ではありません。ですが、オープン当初から続けていることでもあり、今後も続けてまいります。
どうぞ安心して、お部屋でご試着ください。

メンテナンスの基準について

 弊社では『1足1足のブーツに対して、本来の持っている雰囲気』を大切にしております。 メンテナンスにより、中古のブーツが新品のようになることはありませんが、『汚れ』と『味』の違いは心得ております。

 着色や補色、キズをワザと隠すようなものは使用しません。より光沢のでるワックス等も使用しておりません。汚れに対する引き算で、足し算によってのごまかしはしません。

クリーニングの流れ

1.ソール。
2.ウェルト、防カビ処理。
3.アッパーのブラッシング。
4.内部のホコリとり、および除菌、防カビ処理。
5.紫外線殺菌。
6.オイルアップ、ブラシアップ。

※ヒモに関しては、必要に応じて洗濯しております。
※カビや匂い、汚れがある場合は、革専用洗剤で洗う場合があります。(レザーの強度、インソールの状態等、総合判断し、処置します。)
※オロイジナル等、ハトメ部分に緑青が出る場合は、取り除きます。
※基本的に、極端に使用感のない商品や未使用の商品以外は、防カビ処理を施します。
※その後の店舗での保管に関しては、常に空調を入れ、湿度管理

をしております。

1.ソール

まず、ソールの汚れを取り除きます。実は、ソールの汚れがカビの発生の原因になります。
弊社では、様々な薬品や、方法で試行錯誤を繰り返してきました。現在では、雰囲気を変えずに汚れだけを取り除くことができます。
現在では、トラクショントレッドには、それ用の洗剤をクリーニング店と開発し使用しております。現在の洗剤は、万一レザーについてしまっても色落ちせず、全く影響のないものを使用しております。酸などの強い洗剤を使用しますと、レザーの色落ち、ソール自体の劣化につながります。ひび割れを起こしているソールのものを見かけますが、弊社では、クリーニングによってソールが劣化する心配はありません。また、ソールサイドをヤスリで削るようなことはしておりません。当然、アッパーを濡らすことはありません。

2.ウェルト

ホコリや、汚れが蓄積しやすいのが、ウェルトです。見ている数が多いだけに、汚れの種類と天気予報でカビの発生予測ができます。(弊社では常に空調を入れ、湿度管理をしております。)
まずはブラッシングにてホコリを取り除きます。その後、場合によっては水で洗い流します。基本的にウェルトは革ですので、カビが発生しやすい箇所です。乾ききった後に、防カビ処理を行います。
一部のメーカーですと、防カビ処理を行っていないレザーをウェルトに使っておりますので、簡単にカビが生えます。

3.ブラッシング

まず、ヒモのあるブーツはヒモを外します。汚れをかき出し、ホコリと汚れを落とします。このブラッシングは重要で、これを怠ると黒ずみの原因になります。当然、ブラシだけでは汚れは落ちませんので、湿らせたウエスで汚れを落とします。
スエードであれば、スエード用のブラシを使い、オイルレザーの場合はそれ用のブラシを使用します。スエードの場合は、毛足を立たせ、ホコリをかき出すことが目的です。
この時点で緑青があるものに関しては、取り除きます。

4.内部の清掃

中古ブーツでは、思った以上にホコリや汚れがたまっています。つま先部分に多く、これは手作業で念入りに取り除きます。ブーツのインソール部分に意識がいきますが、実は上の部分にも多くホコリがたまっていて、手のひらを反すようにホコリを取り除きます。インソール縁は、特にホコリが貯まりますので、綿棒等を使用します。
ダナーのように、ゴアテックスやライナーを採用している場合は毛玉取りで、念入りに毛玉をとり、その後、ホコリをかき出すように取り除きます。
最後に、靴用の消臭スプレーで消臭、革用の防カビ処理を行います。
 

5.紫外線殺菌

全ての汚れをできる限り取り除いた後、紫外線殺菌を行います。
照射時間はコンディションに合わせ、5分~30分で行っております。
白癬菌等、雑菌を殺菌します。
※日焼けを起こすことはありませんので、ご安心ください。
 

6.オイルアップ、ブラシアップ

最後にオイル、スプレー等で、栄養を与えます。レザーの質に合わせて、オイル、スプレーの種類、また量を使い分けて塗布します。量というのは、塗布するレザーによってかなり変わってきます。また、モデルによってもこの部分は量を多めにし、クリームを使用することもあります。最後に新聞を詰めます。これは、匂いや湿気を新聞が吸ってくれます。ホコリの侵入も防げます。もちろん、入れっぱなしは良くありません。インソールにカビが生える可能性がありますので、定期的に交換をしております。

特別難しいメンテナンスはしておりませんが、レザーの種類、劣化具合、モデルによっての造りの違い、様々な中で適切なメンテナンスをしております。1足平均で最低30分以上はかかります。

今まで、中古ビンテージ業界でも敬遠されてきた、靴。私共が、メンテナンスを施すことにより、中古がより親しみやすくなる環境を造り出し、また、誰かがそれを真似をし、さらに環境が広がっていくことを期待しています。それこそが、物が大切にされることになると思います。